いろいろな議論があるが、どうも前提が食い違ってることが多い。
そこで、前提となるデータを確認しておこうと思って調べてみた。
(他で書きこんだ内容を加筆)
日本の婚外子は3%以下なので、少子化の要因は夫婦からの出産を考えれば良い。
(参考:図録▽婚外子(非嫡出子)の割合(国際比較))
すると、考慮する点は以下の通り。
- 結婚率の低下
- 晩婚化による出産先送りのため見かけ上の出生率低下
- 夫婦の出産数の低下
1.については第1-2-3図「婚姻件数及び婚姻率の年次推移」と第1-2-4図「年齢別未婚率の推移」、
2.3.についてはこちら↓が良いデータと思います。
「結婚と出産に関する全国調査」(2006)
この資料はすばらしい。少子化問題を考える上では、ぜひ読むべき。
これらを内容を簡単にまとめると以下の通り。
- 未婚率は急上昇している
- 夫婦の結婚数は依然として2を超えている。しかし2005年に2.09に減少
→結婚している夫婦は2人以上子供を作っている - 減少の理由は、出生数3人が減少し、1人と0人が増えていること(2人は増加傾向)
- 顕著な減少が見られるのは1960年代生まれの夫婦(図2-1,2-2)
- 予定子供数が理想子供数を下回る理由は「お金がかかるから」が圧倒的
- 予定子供数が0〜1人である理由は「欲しいのにできないから」がトップ
ということで、出産の制約条件は、
「自分の生活を大切にしたいから」というような
ライフスタイルの話というよりも、
「お金がかかる」という経済的な理由が大きいようだ。
従って、財政支出(あるいは免除)は3人以上の出産を促す効果がありそう。
次に気になるのが、「欲しいのにできないから」の多さ。
認識されていない潜在的な不妊もかなり多いと予想される。
現状不妊治療には保険が適用されないので、
まともにやると数十万円から百万円かかることも珍しくない。
不妊治療の保険適用は、予定子供数0〜1人の人を底上げすることに
繋がると期待される。これも財政支出の方法です。
「結婚後に子供を作る人数」はそれほど落ちていないのだから、
「いかに結婚を促すか」が、実は少子化対策として大きい。
独身男性の4割が年収300万〜400万、600万以上は3.5%。
一方女性が結婚相手の男性に求める収入が600万とのことなので、
不況が続くとますます少子化の方向になるのだろう。
(参考:【第3回】"モテ"と"キャリア"の歴史その2:日経ビジネスオンライン)
ちなみに、都市部の出生率は低い。
→第1-2-2図 都道府県別合計特殊出生率(2010年)
H20年の合計特殊出生率の全国平均1.37に対して、東京都は1.08。
この原因は、果たして都会人のライフスタイルによるものなのだろうか?
どうも、違うようだ。
「合計特殊出生率=結婚する者の割合×結婚した夫婦の子供の数」
なので、
東京の出生率が低い原因は、結婚するものの割合であるようだ。
こちら↓の「図表2-3-4 都道府県別の女性の平均初婚年齢」を見ると一目瞭然。
→平成17年版 厚生労働白書 地域とともに支えるこれからの社会保障
平均初婚年齢が28歳を超えているのは京都と横浜と東京だけ。
そして28.5歳を超えているのは東京だけ。
むしろ29歳に近く、ダントツ。
上のサイトの「図表2-3-7 都道府県別の有配偶出生率(2000年)」で見ると、
東京は25〜29歳では下から番目だが、30〜34歳では半分より上くらい。
ちなみに先進国でも出生率が高いケースとして
よく引き合いに出されるのがフランスだが、
こちらは婚外子が半数を超えている。
これは、婚外子も保障が得られるのも要因のひとつである様子。
図録▽婚外子(非嫡出子)の割合(国際比較)
ちなみに、同じ欧州先進国でも、婚外子が少ないドイツは出生率が低い。
→図録▽合計特殊出生率の推移(日本と諸外国)
そして、日本もドイツも財政支出も少ない。
→図録▽少子化対策と出生率(先進国間比較)
移民政策などの政治的、文化的な背景と、
財政的な背景の切り分けは難しい。
まとめ:
少子化の要因は以下の通り。
- 結婚率の低下
- 晩婚化による出産先送りのため見かけ上の出生率低下
- 夫婦の出産数の低下
予定出産数低下の原因は
- お金がかかるから
- 欲しいのにできないから
いずれにせよ、財政支出はある程度有効だろう。
<追記>
厚生労働省の2011年の人口動態統計によると、
初産は30歳超、初婚年齢も上昇...晩婚晩産進むとのこと・・・





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